第4章 With Luca(ルカ)
アリスは、お風呂上がりなのだろうか、その白く柔らかい素肌からは淡い石鹸の香りもする。
ルカは、変な気を起こしそうになる自分を諌めるように、咳払いをすると、シリウスから渡された資料を机の上に開いた。
「...シリウスが、アリスの安全を考えて、もし戦闘に参加する場合の、隊列と配置を新しく考えてくれたんだ。」
ルカが言うと、アリスはキョトンとしたような顔でルカを見つめた。
アリスの丸っこい、大きな瞳に、またルカの心臓が波打つ。
「な、なに...?」
「いや...」
動揺を悟られたくなくて、ルカが早口に言うと、アリスが少し考えたように言う。
「こういうのって、いつもレイが教えてくれるから。」
「!」
その名前が出た途端、急にルカの心が沈み込んだ。