第4章 With Luca(ルカ)
「レイには後でちゃんと言っとくから。」
唐突に、ルカの背後から声がして振り向くと、料理を運び終えたシリウスが立っていた。
「言うって何を?」
「お前ら自由恋愛が過ぎるぞーってな。」
「それならアタシが前にも言ったわよ〜!でも聞かないんだもの。」
セスが憤慨して言うのを、シリウスは余裕そうにクスクス笑った。
「…俺のために?」
「いや、俺は黒のクイーンとして、黒の兵舎(ここ)の風紀を乱すことはやめろと言うだけだ。」
不安げにシリウスを見上げたルカに、シリウスは毅然として言った。
シリウスの言葉に、やや肩を落としたような反応をしたルカ。珍しく恋に悩んで元気のないルカを、まじまじと見つめたシリウスは、とんでもないことを口にした。
「取っちまえよ。」