第4章 With Luca(ルカ)
ふと、視線に気がついたレイが、ルカの方を見ると、ルカは急いで目を逸らした。
(ゴメン.....レイ。でも、俺はもうレイの顔をまともに見られない。)
「.......」
ルカの挙動に、目をパチクリさせるレイの一方で、チクリと胸に刺さる罪悪感を感じながら、ルカはそのまま目を伏していた。
「レイ...?」
突然黙ったレイに、アリスがそちらを見上げると、レイは少し口元を緩めて答えた。
「...なんでもない。」
「ほんと?」
「ほんと。」
上目遣いに言うアリスを、レイは愛おしそうに目を細めて見ると、軽くアリス の頬を撫でた。
その瞬間、ルカの胸の中で、何か嫌なものがグイと捻れたような感じがした。