第4章 With Luca(ルカ)
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そう、俺が自分の気持ちに気がついたのは、貴方がレイのものになって暫くしてからだった。
恋心を自覚するのも、行動するのも何もかもが遅すぎた。何もかもが-------。
貴方のことは嫌いじゃなかった。
何となく、感じのいい人だと思っていた。
でも、貴方はどうせ月の向こう側に帰る人だしって、大して重要にも考えていなかった。
それなのに、時々貴方の笑顔を見ると嬉しく感じる自分がいた。
気がつけば、貴方は満月の夜を越えて黒の兵舎(ここ)にいた。
黒の兵舎(ここ)に------、そして
レイの隣に。
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