第4章 With Luca(ルカ)
「おーい、やたら時間かかってるけどどうかしたか?」
セスに言われたことを、理解しきれずルカが固まっているところに、キッチンへ入ってきたシリウスが尋ねた。
「あら、やだ。いつもタイミングがいいわね?」
「タイミング?」
ニヤニヤが止まらないセスに、シリウスがキョトンとして言った。
その横で、思考停止したまま、直立不動になっているルカに目をやったシリウスが、ルカの目の前で手を振る。
「おい、ルカ。どうした?大丈夫か?」
「今、初恋を自覚しちゃったところなの☆」
さらっと言うセスに、シリウスが驚いたようにそちらを見た。ルカはその瞬間、持っていた包丁をボトッと落とした。
「やっだ、危ないっ!ルカったらどれだけ動揺してんのよっ」