第3章 With Jonah(ヨナ) Act2
いつものように、理不尽な理由で突っかかってくるヨナに、エドガーは慌てるでもなく淡々と答える。
「アリスさんは、きっとヨナさんを待っていますよ?」
「待ってないよ…」
「おや…随分弱気ですね。」
ヨナの意外な反応に、エドガーは驚いてみせる。
手すりを背に、ずるずるとヨナは屈み込むと、そのまま俯いた。
「俺は男っぽくもないし、大人っぽくもないしね…」
「俺からしたらヨナさんは男っぽいですけどね。」
「えっ…どこが!?」
嬉しそうに、顔を上げたヨナは、目をキラッと光らせた。
「結構ストレートに、アリスに体の関係を迫ったりしますよね、ヨナさん。」
「……っ…なにそれっ!ただのケダモノってことじゃないかっ!」
「…ワイルドな男になりたいんでしょう?」
「もういいよ。お前に聞いたのが間違いだった。」
エドガーの答えに動揺するヨナに、エドガーはいつもの調子を崩さない。ハァとため息をついて、ヨナは星空を見上げた。
「…本当に行かなくていいんです?」
「しつこいな…」
傍に座り込む、子供のように拗ねた上司を見たエドガーが心配そうに尋ねたその時、バタバタバタと足音がして誰かが近づいてきた。
「ヨナっ! 見つけたっ!」