第3章 With Jonah(ヨナ) Act2
「フゥ…」
人混みを抜けて、人気のない涼しいベランダへやってきたヨナは、手すりに持たれてため息をついた。
「珍しいですね、いつもはチョコレートファウンテンの前から動こうとしないのに。」
柔らかな声に振り向けば、べったりとチョコレートのついたイチゴを差し出すエドガーの姿があった。
「要らない…」
「…どうかしたんですか?」
大好きなイチゴを食べようとしないヨナに、驚きの表情を向けたエドガーが尋ねる。
「別に。食欲がないだけだよ。」
「珍しいですね。」
「…っどういう意味さっ?」
ヨナがキッとエドガーを睨むと、エドガーはいつものクスクス笑いをした。
「アリスさんはどうしたんですか?」
「……多分今頃、皆にちやほやされてるよ。」
「…いいんですか?」
「っ、良くないけど、俺にどうしろっていうのさ!?」