第2章 With Ray(レイ)
アリスが、確かめるようにレイの方を見ると、レイは少し微笑んで言った。
「改めてよろしく、アリス。」
「う、うん!」
嬉しくてつい、アリスが大きな声で返事すると、レイは可笑しそうに笑った。
そしてまたフェンリルとじゃれつき出すのを見て、ポツリとルカが呟いた。
「レイ、本当に嬉しそうに笑うようになった。」
そんなルカの独り言は、アリスの耳だけに届いていた。
「あーもう腹一杯で食えねー。」
大食いのフェンリルでさえそう呟いて、黒のメンバーによる歓迎会(改)は幕を閉じた。
とっくに食べるのをやめていたレイは、席を立つとアリスに目配せした。
ドキ
....って、レイにときめいている場合じゃない。キング命令でそういえば呼び出されてたんだっけ...
なにか良からぬ事だったらどうしようと考えて、アリスは少しだけそわついた。