第2章 With Ray(レイ)
「えっと...」
少し姿勢を正したアリスは、レイの方をちらと見た。
「私はここに....クレイドルに残ろうと思います。」
「そうか。」
「皆にはまた迷惑かけちゃうと思うけど...私はここに皆と一緒に...黒の兵舎にいたいです。」
シリウスの真剣な眼差しに、つい物怖じしてしまうアリスだったが、遠くで話を聞いてくれているレイの姿を見て綻んだ。
「よく言った。お嬢ちゃん。」
「え...?」
「それこそ相棒が聞きたかった事だよなーっ!」
突然賞賛するシリウスに、巫山戯てレイと肩を組もうとするフェンリル。セスとルカも何か嬉しそうに笑っている。
「そう決めてくれてアタシはとっても嬉しいわーっ!野郎ばかりじゃ退屈だもんっ☆」
「アリスがいてくれると、皆、喜ぶ。」
皆が歓迎してくれるのを見て、アリスは胸をなで下ろすと同時に、言い知れぬ喜びが心を満たした。