第2章 With Ray(レイ)
消えていくヨナの背中を見送りながら、ふと背後に気配を感じてアリスは振り返った。
「レイ...!?」
「よお」
そこに立っていたのはレイで、街灯に寄りかかりながら腕を組んでいる。
「い、いつからそこに!?」
「ちょっと前。」
意地悪に笑うレイに、アリスは気まずくなって目を逸らした。
レイは私とヨナがいるの見るの、あんまりいい気がしないよね...。
「な、なんかゴメン...」
「? なんでお前が謝んの?」
意外な返答だったのか、レイは目をパチクリさせた。
レイは別に気にしてないのかな?
一人でやきもきしたことに恥ずかしくなって、アリスはさらに謝った。
「な、なんでもない。ゴメン。」
「だから何がだよ。お前、相変わらずおかしな奴なのな。」
プと、思わず吹き出したレイの笑顔は柔らかい。つられて、アリスも笑顔が溢れた。