第2章 With Ray(レイ)
「...エドガーは、最高に忠誠心の厚い、素晴らしい部下だったらよ。...もしかしたら、あいつのことだから、初めからこうなることを知っていて、ハッキリさせたかったのかもしれないな。」
思い出すように目を細めたヨナは、懐かしそうに笑った。
「ヨナ....」
「俺も罪はなかったことにされたし、君の、本当の気持ちもわかって良かった。君と黒のキングはお似合いだよ。....嫌味じゃなくてね。」
軽く微笑んで、馬の背中に乗るヨナに、アリスも微笑み返す。
「ありがとう、ヨナ....」
胸に何か込み上げて、目尻が熱くなる。ヨナは、出会った頃のような不敵な笑みを浮かべて言った。
「俺は湿っぽいのは苦手だから、アリスは笑っててよ。」
そう言ってヨナは、馬の蹄の音とともに遠くの景色に消えていった。