第2章 With Ray(レイ)
「すべてはアモン=ジャバウォックと言う名の、魔法の塔の最高権力者のせいであるとわかった。」
「あもんじゃば....?」
アリスが聞いたこともない名に困惑の色を示すと、ヨナは言い直した。
「あの会談の場で、そのアモンという男が隠れて話を聞いていたんだ。つまり、ランスロット様の本意ではなく、アリス狩りは行わてしまった。」
「えー....っと」
質問があり過ぎてついていけないアリスが、頬を掻くと、ヨナはハァと面倒臭そうにため息をついた。
「ランスロット様は、アリスを殺せだなんて命令は、本当はしたくなかったってことだよ。」
「え...?」
「でも結局、その命令通り、俺たちは君を殺害する計画を企てたわけだけど....」
ヨナがわずかに目を伏せる。
「失敗して、よかった。」
再び前を見据えて、ふわっと笑ったヨナの顔は、とても安堵していた。