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《イケメン革命》.Alice. 《夢小説》

第2章 With Ray(レイ) 





アリスは最後にもう一度、レイとヨナに目をやった。


レイの瞳は元の緑色に戻っていた。赤い瞳をして我を忘れたように怒っていたレイはもういない。その目は優しくアリスの方を見つめている。

フェンリルに支えられて立つレイは、おそらくもう魔力が尽きており、本来ならば気を失っていてもおかしくない状態のはずだ。もうこれ以上自分の言うべきことは何もない、とでも言うように平気な顔をしているレイだが、まだ意識を保っているところを見ると、何が何でもこの場に立ち会いたいという意味なんだろうか。

魔法を使うことをあれだけ拒んでいたのに使った、ということはそれだけ必死だったということだろう。結果、エドガーの命が奪われることになってしまい、それが一番嫌だったのはレイのはずだ。

そこまでしてアリスを、黒の軍を守ろうとした…ということに、思わず胸に熱いものがこみ上げてくる。



一方のヨナも、何ともなさそうな顔をしているが、エドガーが亡くなったことはショックなのだろう。火花が散るような琥珀色の瞳は、僅かに寂しさを含んでいる。アリスが好きなのと、赤のクイーンとしての任務の間で、最終的にアリスのために心中すると言ったヨナの心境を考えると、胸が痛んだ。




それでも私はーーー


アリスはスッと、まっすぐ前を見据えた。








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