第2章 With Ray(レイ)
「俺はランスロット様になんて言い訳したらいい?…エドガー」
寂しそうに言うヨナに、安らかに眠るエドガーからの返事は当然ない。アリスは、胸の奥がズキンと痛んで、思わずヨナの頬に触れた。
「…っ」
アリスが突然肌に触れる感覚に、ヨナはバッと赤面した。
「ゴメン…ヨナ。全部、私のせいだね…」
「君は何も悪くないだろ。…でもっ」
ヨナがアリスの腰をぐっと引き寄せた。
「君は俺のそばにいてよ。黒のキングじゃなくて、俺を選んでよ。エドガーも君も失ったら俺は…」
ヨナの瞳が切なげに揺れる。アリスが答えあぐねてレイの方を見ると、レイはアリスに答えを促すように言った。
「お前が決めることだ。」
そういったレイの顔は、少し悲しそうだった。