第2章 With Ray(レイ)
「ヨ、ヨナ....?」
「俺は任務を全うする。....でも、君を独りで逝かせやしないから安心して。」
片方の手で、アリスの髪を優しく撫でたヨナは、アリスが今まで見たどのヨナよりも穏やかな顔で微笑んでいる。そして、軽くアリスの頭にキスを落とした。
「俺も一緒に、死んであげる。」
言ったヨナに、迷いの色は一切ない。穏やかなヨナの心音がそれを伝えている。ヨナはアリスごと自分の心臓を貫く気だ。
「.....アリスを離せっ」
「誰に向かって口を聞いてるのさ。」
魔力切れで意識が朦朧とし始めたレイは、足取りがおぼつかない。
それでも、アリスの身の危険を感じ、必死に迫って来る。