第1章 With Jonah(ヨナ）　Act1

謝った後、優しく問いかけると、ヨナは思い出した様にムッとして「そうだね。海よりも深く反省しなよ。」と言ったが、すぐに表情は先ほどの切ないものに戻った。

ヨナの美しい顔が切なさに帯びる様が、異様に美しく感じられて思わず見入ってしまう。

ふと気がつけば、無言でヨナの唇を指でなぞっていた。

「....したいの？」
「え？」
「赤のクイーンをこんな風に組み敷いてさ。何人たりとも許されない行為だけど、アリスは特別に許してあげる。...俺としたいの？」

考えてみると、アリスがヨナの身体に覆い被さっている状態になっていることに気がつき、一気に顔が火照る。

答えあぐねているアリスの手首を、ヨナはぐいと掴んでさらに言う。

「したいの？したくないの？」
「そっそれは...っ」
「スケベで変態な君が俺としたいんだよね、そうだよね？」

畳み掛けるように言うヨナは、いつもと違って余裕がなさそうだ。眉根に皺を寄せた表情は、とても苦しそうで、必死に思える。

まるで自分に言い聞かせているような...