第2章 With Ray(レイ)
何度かエドガーを壁に強打すると、やっとレイの気が済んだのか、エドガーがドサッと床に落ちた。
「.....」
血反吐を吐いたエドガーは、それでも口元に笑みを作った。
「何? まだ足りねーの?」
「ははは....まさか。これ以上されては、俺が死んでしまいます。」
冷たくエドガーを見下ろしたレイに、エドガーは温和な表情で答えた。
素直に降参したエドガーの傍にしゃがんたレイは、エドガーの顎を掴んで言う。
「色々.....派手にやってくれたみたいだけど、お前らどうされたいの?」
「俺のことは煮るなり焼くなり好きなようにどうぞ......ただ、」
エドガーは、チラとヨナとアリスの方を見た。
「.....魔力を使い過ぎた貴方に、アリスをヨナさんから奪う力は残されていない。」
「!」
言われて初めて盲点を認識したレイは、体の力がガクンと抜けるのを感じた。