第2章 With Ray(レイ)
「ヨナさんのいう通りです。さぁ、早く立ち上がって、魔法を使えばいいじゃないですか。」
「....」
間があって、剣を突き立て、むくりと起き上がったレイは、エドガーを睨んだ。
赤い、二つの瞳。
「そうです。その瞳です。そうこなくては、面白くない。」
レイの赤く光った瞳を見つめ返したエドガーは、殊更愉しげだ。
「俺はこういうフワフワした力に頼るのが、嫌いなんだよ。」
不機嫌そうに吐いたレイは、低い声で唸った。緑の瞳は怒りに燃え、そう、
禍々しささえ感じる。
スッ
瞬間、エドガーの身体が浮き上がり....
バァンッ
強く壁に叩きつけられた。
「ぐはっ」
バンバンッと強い音がして、レイは何度もエドガーを壁に叩きつける。
「レイ.....?」
初めて見る、レイの凶暴な姿に、アリスは思わず身を小さくした。
アリスが見たことがないほど、レイは激怒していた。