第2章 With Ray(レイ)
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「レイ.....!!!! 」
レイが倒れるのを見て、反射的に駆け寄ろうとするアリスをヨナがガシッと抑え込む。
「離して、ヨナッ!!! レイが....っ」
「行かなくていいよ。」
ヨナは、アリスの必死な姿に不機嫌そうに答えた。
「何言ってるの!? 駄目よ、誰か助けないと....」
「なんで君が行くのさ。」
「だってそれは....レイは私の......っ」
先を促すヨナは黙ってアリスの目を見つめるが、アリスの言葉はそのまま弱々しく消えて行った。
「...とにかく、行かないとっ!」
渾身の力でヨナの腕から逃げ出そうとするアリスだが、ヨナの力強い腕にまたしても阻まれた。
「行かせてったら!」
「ダメ。」
「.....!! ヨナのわからずや!大っ嫌い!」
「.....っ」
アリスの言葉が心にナイフのように刺さったヨナは、一瞬動揺するものの、それでもアリスを離そうとしなかった。