第6章 お見合い話
千春からお見合いするという話を聞いた日の夜、家に帰るとお爺様から夕食後部屋に来るようと言われた。
また成績か礼儀作法について何か言われるのかと、心持ち怯えながらお爺様の部屋の扉を開けた。
「桜そこに座りなさい」
「はいお爺様」
ソファーに座ると、思っても見なかった言葉がお爺様から告げられた。
「今週の日曜桜にはお見合いをしてもらう」
「え、お見合いですか...?」
「ああ、木之本財閥の次男とだ。
たしか隼人君だったかな。
桜と同い年で青蘭学園に通っておると聞いたが、知っておるか?」
『え、うそ。あの木之本隼人とお見合い』
まさか、自分自身がお見合いをするなんて思っても見なかったし、しかも相手が木之本隼人なんて...。
気が動転した私は一瞬状況を理解できなかった。
「おい桜聞いておるのか!」