第6章 お見合い話
「あ、はい。聞いております。
彼とは春から同じクラスメイトです。」
「おお、そうか。なら話は早いじゃないか。」
「で、でもお爺様。彼とは話すらしたことないですし、そもそもなぜ木之本財閥の方とお見合いなのですか?」
「それにこの話はもう決定なのですか?」
「いきなりの話で困惑しているとは思うが、落ち着けたまえ。詳しいことは改めて話すが、この話は向こうの方もすでに了承済みだ。」
「桜も来年からは大学生だろう。
どこの馬の骨か分からんやつと付き合うよりちゃんとした家の息子と結婚して欲しいのだよ。
実は隼人君の母と桜の母は学生時代親友だったらしくてな。
この話をよく思ってくれているのだよ。」
「え、ちょっとお爺様。まだ詳しい話を聞いておりま...
「取り敢えずこの話は終わりだ。
来週日曜開けておくように。」
私が言い終えるまえにお爺様はお見合いの話を終えてしまった。