第5章 親友
「やっぱり。私と同じ考え方だわ」
「え、どういうこと森川さん?」
「千春でいいわよ」
「じゃあ、千春ちゃん。
千春ちゃんと同じ考え方って?」
「この学園に編入してきて、すぐにいろんな人に声かけられたけど、すぐ気がついたの。
あー、この人たちは私が森川グループの娘だから話しかけてるんだって。
アメリカにいた時はそんなこと関係なく、森川千春として話しかけてくれてるんだって伝わって来るけど、こっちの人はみんな作り笑顔で取引相手としてよろしくしてねってすぐ分かるのよ。
別にまだ私が森川の経営に携わってもないのになぜ媚びを売るんだろうって疑問に思うし、そんな相手と仲良くなりたいて思わないわ。
そんな時ね、いつも1人でいる桜ちゃんを見てどんな子だろうって疑問に思ったの。
でも思ってた通りだったわ。」
「千春ちゃんはすごいね。私なんて裏で聞くまで全然気がつかなかったもん。」
私情の事をこんなに話したのは彼女が初めてで、お昼が終わる頃には私は千春ちゃんにとても心を許していた。