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カーニヴァル~與儀~

第16章 ぬくもりも切なさも


(うぅ、気まずい…。)




『與儀のことが好きなんじゃろう?』


物凄い発言をされたあの後。


「それってどういう…」


訳が解らない私を見てホッホッホと療師は笑いだした。


「おや、なんじゃ違うのかの?
わしゃてっきりそうなんじゃと…

いらんことを言うたかのう。」


言葉だけ聞けば詫びている様子。

でも実際はそうじゃなくて、愉しそうにニヤニヤと笑ってる。


(與儀さんが好き?

私が??)


そんなこと、考えたこともなかった。


(それって、つまり…)


「えええっっ!!??」

時間差の驚きででかい声をだしてしまった。


「もしかしてお主、無自覚かのう…?」

さっきまで笑っていた療師は、何故か少し呆れた顔をしている。


(無自覚…!?

そういえば、十夜くんもそんなこと言ってたような…

え?ホントにそうなの!?
そう見えてたの!??)

もう軽いパニックだ。


(信じられない…

ってちょっと待って!?
今、花礫くん達與儀さんを呼びに…!!?

まずい…っ!!)

慌ててどこかへ逃げようとするも、時すでに遅し。

ベットから出ようとした所に入ってきてしまった。


「松岡ちゃんっ!!」

「わっ、えっ!?」

入ってくるなり與儀さんはさっきの无ちゃんみたいに抱きついてきた。
今度は私が腕の中だけど。


「なっ、何するんですか…っ?」

急に抱きつかれたこととさっきの療師の話で頭の中が凄いことになってる。


(なんで抱きついてるのっ!??)

そう思うけど抵抗することは出来かった。
だって、與儀さんの声が聞こえたから。


「よかった…っ。」

「……」


(そっか。

心配…してくれてたんだよね。)


そう思うと嬉しくて体の力が抜けた気がした。


「…心配かけてごめんなさい。」


腕の中でそう言うと、ゆっくりと体を離されて顔を覗きこまれた。

「ホントによかった…っ。」

「…っ!」


涙を浮かべて笑うその顔があまりに綺麗でドキッとした。


(でも、近いです與儀さん…っ!!)


慌てて背けた視線の端に、愉しそうに笑う療師と花礫くんが見えた。
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