第15章 作戦
(だめ…っ!!!)
无ちゃんの手を引き寄せながら目を閉じた。
でも化け物が襲ってくる感じはなくて。
かわりに自分の体がぐらりと傾き宙に浮いた。
「え…」
无ちゃんを引っ張った時にバランスを崩したのだと気付いた時には遅かった。
「っ、无ちゃんっ!!」
「わあ…っ!?」
无ちゃんだけはとしっかり抱き締めて、そのまま鈍い音と共に地面へ叩きつけられた。
「ぅ…」
(…痛い……)
頭も体もズキズキしてる。
視界もぼやけてきて、意識も遠退いていく。
「松岡、ちゃん…?」
目を閉じる間際に、泣きそうな顔の无ちゃんと駆け寄ってくる與儀さんの姿が見えた。
「松岡ちゃん…っっ!!!」
(與儀さん……)
誰だかは分からなかったけれど、温かい腕に包まれて私は意識を手放した。