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カーニヴァル~與儀~

第14章 タイムリミット


ちっぽけな頭で考えついた唯一の方法。


それはあまりに危険でリスクが高すぎること。




(でも…。)



それしかないのかもしれない。



いつもはあんなに大人な繋さんのこんな姿も、強がりな十夜くんの辛そうな顔も、見たくなくて。


この唯一の希望にかけるしかないと思った。



「あ、の…。」


ゆっくりと体を離し、繋さんの顔をのぞきこむ。


「…?」


鼻をすすりながら涙を浮かべてこちらを見つめる。



1度十夜くんを振り返り、それから繋さんに向き直る。




「…実は…」













「…そんなことが、できるのか…?」


話し終えた私を真っ赤な目で十夜くんはじっと見る。


「…分からない。凄く、危険なことだから。

…でも、それしかないと思う。」


「…」


ずっと黙って聞いていた繋さんが、ゆっくり口を開いた。



「…私、やるわ…。」


「っ!!本気かっ!?
どうなるか分かんねぇんだぞ!!?」



十夜くんがそう言うのも、それだけのことだから仕方がない。


「…それでも、やりたいの。

…だって、十夜を1人になんて出来ないでしょう…?」


いつもの優しい笑顔で、十夜に微笑む。



「…………分かった。

…俺が、絶対守るから。」


「…ありがとう。」



十夜くんはこちらを向き、頭を下げた。


「よろしく頼む…っっ!!」


まだどうなるか解らなかったけど
絶対にどうにかするんだと心に決め、私は大きく頷いた。

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