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カーニヴァル~與儀~

第14章 タイムリミット


病室への道を歩きながら考える。


(結局何だったんだろう…??)




それは昨日の食後の話。


繋さんに言ってたことをしてみようと思った私は言われた通りの行動をした。


「與儀さん…。」


出ていこうとする與儀さんの服の裾を掴み呼び止める。

驚いて振り替える與儀さん。


「どうしたの、松岡ちゃん?」



(えっと、次は…)


繋さんのレクチャーを思い出す。


『…呼び止めたら、下から見上げてみて。』


(下から見上げる…。)


と言っても、身長的に自然とそうなってしまうのだが。


『…その後、“アナタと一緒にいたいっ”って。』


「疲れてなかったらでいいんですけど、
私…與儀さんと一緒にいたいです。」



(これでいいんだよね?)


最初の2つの行動の意味は全く解らないけど、一応目的は果たせた。


(一緒にいたいっていうのは本当だし。)



後は返事を待つだけと思って見上げてたんだけど…

返ってこない。

目を開けて「どうしたの?」って聞いた時のまま固まっている。


「與儀さん?」


声をかけると我に返ったようにびくっと体を動かし、それから顔を赤くさせた。

「えっ、ええっ!?一緒にいたい!??」


急に慌てだしたので、何か間違えたのかなと不安になる。

「えっ、そ、それってどういう意味…っっ!??」


(どういうって…)

「最近一緒にいる時間がなくて寂しいなって思ったんですけど…疲れてるならいいんです。」

「さ、寂しい…っ?それって…

あっ俺、全然疲れてないっ!疲れてないです!!
それに、俺も一緒にいたいって思ってたっ!!」


変な話し方であたふたしてて、でも、同じ気持ちでいてくれたみたいで嬉しかった。


「よかった…。」


少し照れてそう言うと、與儀さんの顔がさっきよりももっと赤くなった気がした。


「一緒にいたいって…お、俺の部屋くる…??
い、いやいや、何言ってんの!ダメでしょ!??
え、じゃあ松岡ちゃんの部屋…?
いやいやいや、それもまずいで…」

「ここでいいですよ?」


どうしてどっちかの部屋で悩んでいるのか解らず、さらに考え込みそうだった與儀さんの言葉を遮った。


「ここ?そ、そうだよねっ!別に部屋に行かなくてもいいんだよねっ…。
何言ってんだろ俺…。」

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