第12章 寂しい…?
平門さんに今日起こったことを話した。
「…それで、その手術台
どうにかなりませんかね…?」
「まあ考えてはみる。
決まればまた話そう。」
立ち上がり、部屋から出ていった平門さんを慌てて追いかける。
「平門さん…っ!」
「どうした?」
「あの、しばらくはこの街にいるんですよね…っ?」
「ああ。この件が片付くまでわな。
どうしてだ?」
「あ、その、病院にまた行きたいなーと思って…。
駄目ですかね?」
見つめる私を見下ろしながら、フッと笑った。
「構わないよ。君の自由を奪う権利は俺にはないからな。
だが、どうしてそんなに彼らにこだわる?」
「こだわってませんよ…?
ちょっと約束をしたので…。
もちろんっ、自分の仕事はちゃんとしますっ!」
「よろしい。日が暮れる迄に戻るのが条件だ。」
それじゃあ後はお好きにと言って、平門さんは歩いていった。
(よかった。
これで繋さんに編み物教えてもらえる…っ。
喜んでもらえるように頑張らないとっ!)
その日は艇に戻ってきたイヴァさんの話を聞いて1日を終えた。
その間中、話を聞いていなかったのか
花礫くんはどこか切なげな顔をしていた。
次の日、朝から買ってもらったニットを着て出かける準備をした。
(楽しみだな~っ。)
鼻歌まじりに廊下を歩いていると、前から與儀さんが。
「あれ、松岡ちゃんっ。
こんな早くからどうしたの?」
「今から病院に行くんですっ。
繋さん達のところに。」
「…病院に?
あっ、じゃあ俺、送ってってあげるよっ!」
「いいんですかっ?
ありがとうございますっ。」
與儀さんに付き添ってもらい、病院の前まで。
「ここで大丈夫ですっ。
ありがとうございました。」
「うん…。
お、俺っ、夕方迎えにくるよっ!
1人にするのは危ないし…ねっ?」
「?ありがとうございます。
じゃあ、また後でっ。」
見送りの與儀さんに手を降り、病院へと入っていった。
「繋さんっ、おはようございますっ!」
「松岡ちゃん、おはよう。
来てくれたのね。」
「はいっ!さっそく教えてもらおうと思って。」
「いいわ、ここに座って。」
繋さんの隣に座り、編み方を教えてもらった。