第12章 寂しい…?
「ただぁいま~…
って、イヴァ姐さん…っ!?」
「あら與儀、おかえりなさい。」
「帰ってたのーーっ??久しぶりだぁーー!!」
(誰だろう?)
嬉しそうな與儀さんには見向きもせず、イヴァ姐さんと呼ばれる女性は私の元に来た。
「あっらぁぁ、可愛いっっ!!
あなたが噂の松岡ねっっ!?
私の好みだわぁ~~っ!」
「えええっ!!?」
いきなり抱き寄せられ、大きな胸に顔を埋められる。
(む、胸が、当たってる…っっ!!!
大きい胸が…っっ!!)
あまりの迫力で息ができない私を、慌てて與儀さんが助けてくれる。
「ちょっ、イヴァ姐さんっ!!
松岡ちゃん苦しがってるっっ!!」
「あら大丈夫?つい可愛いくて。」
「っっ、はぁっ、だ、だいじょーぶです…。」
落ち着いてからよく見ると、その人は青緑の長い髪に緑の瞳をした綺麗な女性だった。
「私はイヴァ。よろしくねっ。」
「松岡ですっ、よろしくお願いします…っ。」
「やっぱり可愛いぃ~っ!
ツクモと並べて遊んであげたいわね~!!」
「姐さん卑猥…」
「あぁっ!?」
「いっ、いや、何でもないです…。」
さっきとはうってかわったイヴァさんの態度に、與儀さんは怯えてる。
「ま、とりあえず広間に行きましょう?
平門が待ってるわ。
あっ、美味しいお菓子があるから
一緒に食べましょーっ?」
イヴァさんに押されながら、広間へ向かった。
「おかえりなさい。」
「あれ、ツクモ。帰ってたんだ。」
「ええ。今日の分の調査は終わったから。」
「調査…?」
聞こうとしたのを平門さんに手で制される。
「俺が話そう。
この街に降りた理由は2つあってね。
1つは君の身の回りの物を揃えるため。
そしてもう1つは…
能力者を捕まえるためだ。」
「能力者を…?」
「ああ。元々この街にはイヴァが調査に行っていたんだが、最近敵が姿を現さなくなってね。
それで、応援に来たんだ。」
「そうなんですか…。」
「まあ能力者が現れるのは夜だけだと調べがついているから、お前達が心配する話じゃない。
一応話しておいただけだ。
…それで、そっちも話があるんだろう?」
「あ、実は…」