第7章 ホントの気持ち
「じゃあ、行こうかっ。」
「…もう、お別れ…。」
(やっぱり淋しいな…。)
「いーや、お別れはちゃんとまた言いにくるよっ。
…でもとりあえず艇に戻らないと、俺皆から絞められそうだから…」
「し、しめられ…?」
えへへとお得意の困った顔。
「まあ、そういうことなんでまた来ますからっ。
行くよっ。」
手首を掴んでドアへ歩きだす。
「あっ、お父さんお母さん、ご飯ありがとうっ!
また来るからねっ!」
慌てて振り返りかけた言葉に、2人は満足げに手を振ってくれた。
「それじゃ、貳號艇へ戻るぞぉーーー!!」
大きな声と共に、手首を掴んでいた手をお腹に回し勢いよく飛び上がった。
「あ、あの、與儀さんっ!」
「ん~?」
「も、もうちょっとゆっくりーーっっ!!!」
「だーいじょうぶっ。絶対落とさないから。」
「そういう問題じゃあぁぁー…」
「…ほらっ、着いたっ!」
物凄いスピードのせいで、あっという間に艇に到着した。
「たっだぁーいまぁ~
って、うわあぁぁぁぁっっ!!!」
與儀さんの顔にキックがきまった。
「おっせぇんだよっ、ボケ。」
「な、なにしゅんのしゃあ、花礫きゅん…。」
吹きとばされた與儀さんは顔をおさえている。
「が、花礫くん…?一体何を…」
「松岡ちゃんっ!!」
抱きついてきたのは无ちゃん。
「无ちゃん…どうしたの?」
「うわあぁぁんっっ!!
おれ、さみしいっ!松岡ちゃんどこにも行かないでっ!!」
「え、え?无ちゃん??
な、泣かないでっ…
私はどこにも行かないから…っ。」
「え…、ほん、と?」
「…うん。
勝手に出ていったりしてごめんね…?
もう、あんなことしないから…。」
「ほんとにっ?ぜったいのぜったいにっっ!??」
「本当だよ。」
「やったあぁ!
がれき、松岡ちゃんここにいるって!
どこにもいかないって!!」
「…あっそ。良かったな。
…あんな真似2度としないでほしいけどね。」
「…ごめんね、花礫くん。」
「別に。つーか、早く飯作ってくんね?
俺腹へって死にそぉ。」
「ご飯…?」