第7章 ホントの気持ち
~與儀side~
時は少し前にさかのぼる。
勢いよく広間から出た俺は、自分の部屋に。
「もぉーーーっ!!!」
感情を抑えられなくてベットへダイブ。
…そのまま布団を抱き締める。
(なんでなの、松岡ちゃん…
俺泣きそう。)
溢れる涙を目に溜めて動くのをやめる。
「もう、知らない…。」
ボソっと呟いて、目を閉じた。
…けど眠れなかった。
結局、眠りについたのは夜中。
色々考えてたから。
(一緒にココア飲んでくれたり、チャーハン作ってくれたり…
俺達のためにしてくれてることだと思ってた。
でも、“関係ない”なんて…
…じゃあ、何のためだったの…?
俺、分かんないよ。)
どれだけ考えても答えは見つからなかった。
「あれ…」
気づくとすっかり空が赤く染まっていた。
「寝すぎた…。」
こんな時でもぐっすり寝てる自分が情けない。
(…平門さんの話じゃ、昨日から松岡ちゃんが住んでた所に向かってるんだよね。
ん?
ってことは…)
「もうすぐ着いちゃう…っっ!?」
勢いよくベットから飛び起きる。
(ダメだよっ、あんな状態のまま行っちゃうなんて…っ!
もう1回ちゃんと話したいっ。
松岡ちゃんがホントにあんな風に思ってるのか、聞きたいっ。)
急いで着替え部屋を出た。
(い、いるかなぁ~…?)
おそるおそる広間の中を覗く。
が、居るのはツクモちゃんと花礫くん。
「なんだぁ、居ないか…」
「だれがいないの?」
「うわぁっっ!!」
急に後ろから話しかけられ焦る。
「な、无ちゃんっ。びっくりしたぁ~…。」
「ねえ、よぎ。だれかさがしてるの?
もしかして…松岡ちゃん?」
「え、あ、うん…。」
「あのね、きょうは1かいもみてないの。
それでかな、昨日からなんだかここがギュってなるの…。」
苦しそうに胸を押さえる无ちゃん。
「无ちゃん…俺もここ痛いんだ。
だからね、今からそれを治しに行くんだ。」
「なおしに…?
おれもいっていいっ?」
「うん、一緒に行こう。」