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カーニヴァル~與儀~

第6章 残りの時間


「…そんな時にね、皆に会ったの。



皆、優しくて、温かくて。

初めてで驚いたこともいっぱいあったけど、楽しいの方が何倍も大きかった。


パレードにだって出してもらって、すっごく親切にしてくれたんだよ。」





皆の顔がフラッシュバックする。





「…可愛くて、いつも笑顔の无ちゃんに
素直じゃないけど、私のこと考えてくれてた花礫くん。


ここに居させてくれた平門、さん。


「呼び捨てでいいよ」って、優しく、言ってくれた…真面目で完璧なツクモ…。


それ、に……」





言葉が詰まる。






「う、…そ、れに、與儀さん。


與儀さんはね、私を助けてくれたんだよ。何度も、何度も…」



頬を濡らしながらも、溢れる想いを口にする。




「…與儀さんがいなかったら、私、何も出来なかったと思う…

いつも明るくて、表情豊かで、ずっと…




ずっと側にいてくれた…。



あの笑顔に何度も元気をもらったの。


それなのに、それなのに私…っ。」



「…泣くなメェ…。」


羊さんが涙を拭ってくれる。



「うっ、あっ、ありがとう…っ。


ひっく、ホントは、あんなこと思ってないよっ…んっ。


関係ないなんて、思ってないっ。


皆、私の大事な人だから…っっ。






ここに、居たい…


ずっとここにいたいよぉ…っっ



うっ、ひっく…






…うっ、でも…でもね、私がここに居たって、何も出来ない…
ただ居るだけなんて、うっ、そんなこと、したくないの。


ひっく、淋しくてね、い、今まで1人だったから…皆の優しさが、余計に嬉しくて、居心地が良くて…


だめだって、そんなの私のわがままだって、甘えだって分かってるっ…っ。


でも、それでも、もっと一緒にいたいって、皆と一緒にいたいって思うの…っっ。」



「…大丈夫メェ。」


「え…、ひっく…」


「皆分かってくれるメェ。」


「そう、かな…。

あんなこと言っちゃったんだもん…もう遅いよ。」




羊さんを見つめる。




「…でも、ありがとう。
羊さんの、おかげで楽になった気がする…。」


「良かったメェ。」


「うん…。」




一気に話をしたので、力が抜け、そのままベットに横になった。



「おやすみメェ…。」


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