第5章 落ち着く
もう1度温めて、コップに注ぐ。
「お待たせしました。」
「あれ?松岡ちゃんのは?」
「私はいいんです。
もう温まりましたか…はくしゅんっ!」
「全然温まってないじゃんっ!
こっち来てっ。」
「うわっ。」
手を引っ張られ、隣に座らされる。
「もうっ、嘘ついて…。こんなに冷たいよ。
ほら、これかぶって。」
ソファに置いてあった毛布を肩から掛けてくれた。
「…すいません。」
「んー…。2人の方が温かいかなぁ?」
「えっ?」
與儀さんも毛布にくるまる。
「温かいね。」
「はい…。」
1つの毛布に2人で。
あまりの距離の近さに少しドキドキする。
(…けど)
同時に心地良さを感じる。
「なんだか、落ち着くねぇ。」
「…そうですね。」
「ふあぁぁ…。」
「眠たいの?」
軽く首を振る。
「俺も眠たくなっちゃった。頭貸して?」
頭を引き寄せられ、肩に乗せられる。
その上に與儀さんの頭が乗る。
重くなくて、気をつけてくれてる感じ。
「ぐっすり眠ってね。」
ポンポンとリズムをとって寝かせつけてくれる。
「おやすみ。」
「おやすみなさぃ…。」
ソファの上、1つの毛布のなかで
2人眠りについた。