第4章 パレード
「ニャンペローナだぁっ!」
「ホントだっ、キャンディーちょうだいっ!」
「は~い、どぉぞっ!」
「ありがとぉーっ。」
「どういたしましてっ。走っちゃダメだよっ!」
今はパレードの真っ最中。
私とニャンペローナ、花礫くんと无ちゃんの順で並んでる。
(楽しいなぁ…っ。)
キラキラと耀いた街にはたくさんの人が集まっていて、その中央を私たちがキャンディーを配りながら歩いている。
「ニャンペローナって、ホントに人気なんですねっ。」
「そぉだよっ!
子どもたちと近くでふれあえるから、俺嬉しいんだっ!
皆、すっごく可愛いよねっ。」
「はいっ。見てるだけで笑顔になりますっ。」
「喜んでもらえてよかったなぁっ!」
私たちは、笑顔で駆け寄ってくる子どもたちに、幸せな気分になった。
パレードを楽しんだ後は、ツクモのショーを観に行った。
「ツクモ、すごいっ…!」
ツクモと高性能な羊さんによるショーは、綺麗でとても迫力があった。
見ているお客さんも、皆口を開けて見入ってる。
「お疲れさまっ、ツクモっ!」
出番を終えたツクモにタオルを渡す。
「ありがとう。」
「すっごく素敵だったよっ!
綺麗でかっこよくて、輝いてたっ!」
「ふふ、ありがとう。
ショーも終わったし、着替えて艇に帰りましょうか。」
「うんっ。」
着替えると、降りるときと同じようにツクモに抱えられながら艇に戻った。
「おかえりメェ」
「たっだいまぁ~っ!」
出迎えの羊さんに、與儀さん、ツクモちゃん、无ちゃん、花礫くんと「ただいま」を返す。
「松岡ちゃんも、“ただいま”って言ってみてっ。」
與儀さんに言われるまま言ってみる。
「ただいまっ。」
「声紋登録完了メェ。おかえりメェ。」
「声紋登録?」
「うんっ!これで松岡ちゃんも、貳號艇の仲間ってことっ!」
「なかま…?」
「そうだよっ!
さあ、行こっ。俺お腹へっちゃたよ~っ。
ごはん、ごはんっ!」
「は、はいっ!」
(仲間か…
…嬉しい…っ。
これからも皆と一緒にいたいなっ。)
私は皆の元へと走って行った。
だけど、別れは刻一刻と迫っていたんだ。