第4章 パレード
「に、にゃ…ん??」
「ニャンペローナっ!!」
「あ、スイマセン。
何なんですかそれ?與儀さ…」
「ちっ、ちがーうっっ!
お、俺はよ、與儀…じゃなくて、
ニャンペローナなのっっ!!」
「…」
ポカンとしてしまう。
ニャンペローナは、黄色い猫
…の着ぐるみ。
ピンクのリボンがついている。
(…どう見ても與儀さん…。
声もだし、何よりこのアタフタ感…。
もしかして、触れてほしくないのかな…。)
とりあえずそこには触れないことにして、質問をしてみた。
「あ、ニャンペ…ローナ?は、
何なんですか?」
「おぉっ、よくぞ聞いてくれましたっ!
ふっふっふっ…。
ニャンペローナは輪《サーカス》のマスコットキャラクター…
つまり、子どもたちのヒーローなんだっっ!!」
「ヒーロー?」
「そうっ!皆、ニャンペローナが大好きなんだよっ!」
「ほぇ~、そうなんですか。知らなかったな…。」
「ダメだよっ、俺を知らないなんてっ!
ちゃんと覚えててねっ!」
「は、はいっ。」
「よろしいっ!
じゃあ、行こうか?」
與儀さ…
ニャンペローナが、私に手を差し出す。
「はいっ!」
その手をとり、ついて行った。