第4章 パレード
平門さんの部屋から出た私たちは、また広間へと向かった。
広間には與儀さんに无ちゃん、それに花礫くんがいた。
「あ、松岡ちゃん、おはよっ。」
「おはよう无ちゃん。花礫くんも。」
「…はよ。朝早ぇーんだな。」
「平門さんに呼ばれたから。」
「平門さん、なんだってぇ~??」
與儀さんが聞いてきた。
「えっと、今日のパレードに私もでていいって…。
花礫くんと无ちゃんも。」
「うわぁっ、そうなの??
やったね无ちゃん、花礫くんっ!!」
「うんっ、おれたのしみっ!」
「ねぇ~っ。皆一緒だと、きっといつもよりもーーっと楽しいよっ!」
「私も楽しみですっ。
…あ、そういえば與儀さんはショーにはでないんですか?」
「ん?俺にはねー、パレードで大事な役目があるんだ~。」
「大事な役目??」
「そうっ!後でのお楽しみだよぉ~っ。」
口元に人差し指をたて、與儀さんはそう言った。
(大事な役目ってなんだろう?)
気になったけど、お楽しみと言われたので聞かなかった。
それから私たちは、パレードまで時間を潰すためにトランプで遊ぶことにした。
ルールがよく分かっていない无ちゃんは私とペアに。
勝負はほぼツクモと花礫くんの一騎討ちで、私はまったく歯がたたなかった。
「无ちゃん、ごめんね…。」
つまらなかったかなと思い謝ると、
「どうして?おれ、すごくたのしいよっ!
ね、もう1かいやろう?」
って言ってくれた。
「うん、今度は頑張るからねっ!」
无ちゃんの可愛いさにすっかり癒されちゃった。
…でも、結局勝負はツクモの勝ち。
私たちはお昼ご飯を食べることに。
食べ終わると、
「次は、絶対俺が勝つぅ~~っ!!」
って與儀さんが言いだしたのでトランプを再開した。
朝は嫌がってた花礫くんも
「…くそっ、あの女…ぜってー勝ってやる…。」
ってツクモに悔しがってた。
(ふふっ、可愛いなぁ…。)
なんて思ったり。
まあ結局、後半戦もツクモの圧勝で終わったんだけど。
(與儀さん、落ち込んでるかな…?)
言い出した本人は結局勝てなかったので、心配して見てみるとバッと急に立ち上がった。
「よぉーーし、パレードに行こぉーーっ!!」