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カーニヴァル~與儀~

第4章 パレード


「平門、松岡を連れてきたわ。」

「おじゃまします…。」

「ああ、ありがとうツクモ。
いらっしゃい、松岡。」

「…あの、話って…?」

「まあ、そんなに慌てないで。
どうだ、貳號艇は。」

「あ…、すっごく楽しいですっ。
みんな優しくて面白くて。」

「そうか。それは良かった。
花礫と无はどうだ?」

「2人とも仲良くしてくれてます。
…でも、どうして??」

「あの2人は輪《サーカス》の一員じゃなく、君と同じで保護された子たちだからな。」

「えっ、そうなんですかっ??」

「ああ。…言ってなかったのか?」

「ごめんなさい。與儀が言ってると思っていたから…。」

「謝らなくていいよツクモ。ちゃんと言わなかった俺も悪い。」



ふと疑問に思う。


(…この2人は、どういう関係なんだろう?

平門さんは、與儀さんやツクモより偉い人ってことは何となくで分かる。
でも、ツクモは「平門」って呼び捨てにしてたし…。)


「俺たちの関係が気になるか?」

「えっ!??」


心を読まれたのかと思い、ドキッとする。


「そう顔に書いてあるぞ。」

「あ…、…はい…。」

「俺とツクモの関係は、…まあ、昔からの知り合いかな。」

「昔からの知り合い…。」


(そうだったんだ…。)


「それで、平門。話って?」

ツクモが話を変えた。


「ああ、今日のパレードなんだが、松岡にもでてもらおうと思ってね。」

「パレード?」

「我々輪《サーカス》が能力者を追っているというのは昨日話しただろう?その捜査は市民には内緒なんだ。敵に情報が漏れてはいけないからね。
それで、怖い思いをさせたお詫びとして、ショーを催すんだ。」

「ショー?」

「そう。そのショーには、ツクモが主役としてでてるんだ。」

「へぇっ、すごいねツクモっ!」

「…そんなことないわ。」

「あ、じゃあ、パレードっていうのは?」

「パレードは、仮装をして街を歩くんだ。
子供たちにお菓子を配りながらね。」

「それは楽しそうですねっ。
…でも、私もでていいんですか?」

「ああ、何の問題もない。
ぜひ楽しんでくれ。」

「はいっ、ありがとうございますっ。」

「話は以上だ。ツクモ、ショーまで松岡のことを頼んだよ。」

「はい!」
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