第4章 パレード
コンコン
深い眠りについていた私は、ノックの音で目が覚めた。
「ん…?誰だろぉ…。」
まだ重たいまぶたをこすりながらドアを開ける。
「はぁい…。」
「おはよう松岡。」
「あっ、ツクモっ!おはようっ。」
朝一番から整ったツクモを見ると、寝起きの格好をしている自分が恥ずかしくなった。
「ごめんっ、すぐ着替えるから…っっ!」
「大丈夫よ。平門が朝ごはんを食べたらこいって。
はい、これ着替え。外で待ってるから。」
「あ、ありがとう…。」
ツクモは部屋から出ていった。
(平門さん、何の用だろう…?
まぁ、今は早く着替えよう。ツクモ待たせてるし。)
そう思って私は着替えだした。
ガチャ
「お待たせっ。」
「じゃあ、行きましょうか。」
「うんっ。」
ツクモと私は昨日と同じ広間に行き、2人でご飯を食べた。
食べ終わって部屋を出ようとしたとき、ちょうど與儀さんが入ってきた。
「あ、松岡ちゃん、おふぁよぉ~。」
「おはようございます、與儀さん。
ふふっ、まだ眠たそうですね。」
「ん~、なんだかよく眠れなくてね…」
(あ…)
「寝癖がついてますよ。」
そう言って手を伸ばす。
「えっ、うそっっ!いいよ、自分でするから…」
「いいから、じっとしてて下さい。」
「…はい。」
背の高い與儀さんは背伸びをしても少し届かないので、前かがみになってくれた。
「…よし、できましたっ。」
「ありがと…あ…」
「あっ…」
(…近い…。)
與儀さんと私は距離がめちゃくちゃ近いことに気づき、慌てて顔を離す。
「ご、ごめんなさいっ!」
「あ、いや、ごめん…。
ありがとう。」
「いえ…。」
「松岡、そろそろ行きましょう。」
少し前で待ってくれていたツクモに呼ばれた。
「あっ、う、うんっ!ごめんっ!」
(そうだ、平門さんのところに行くんだった…。)
「じゃあ、與儀さん。」
「うん、いってらっしゃいっ。」
私は駆け足でツクモの元へ行き、隣に並んで歩きだした。