第3章 貳號艇
「松岡ちゃん、おーきな声だしてどうしたのっ!?」
いつの間にか與儀さんと无ちゃんは、
遠くの方でチキンを選びっこしていた。
「見えない。
どう見ても普通の子なのに…。」
「だよなぁ。俺も騙された。」
(无ちゃんが動物…
あんなに可愛い男の子だよ…??)
「ねえっっ!!!」
「わっっ!!」
(びっくりしたぁ…。)
気づいたら、私の真横に與儀さんがいた。
「2人でコソコソ何の話ぃ~~??
俺もまぜてよぉーーっ!」
「うっせぇ。お前には関係ねぇよ。」
「えーー??なんで??
花礫くん、俺より松岡ちゃんと仲良くしちゃダメだからねっっ!」
「んでだよ。マジ意味わかんね。」
花礫くんってば、嫌な顔してるけどちょっと楽しそう。
(无ちゃんが動物…。
世の中には、私の知らないことがたっくさんあるんだな…。)
今日はそのことを本当に実感した。
「あーうっせっ!俺もう寝る。」
「もう!花礫くんってばっ!!
話そらさないでよっ!!」
「はいはい。无、俺は部屋戻るけど、お前はどーする?」
「おれもがれきといっしょいくっ!」
「じゃあな。また明日。」
「ばいばいっ。」
「あっ、おやすみなさい。」
花礫くんと无ちゃんは出ていった。
「私ももう寝るわ。」
「そっか。ツクモ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
「あ、與儀さん、私はどうしたら…??」
「うん、部屋を用意してあるから、案内するよ。」
私と與儀さんも、部屋をあとにした。