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【薄桜鬼】桜飴 (短編集)

第2章 山茶花(サザンカ)-風間千景-


昔々…呉服屋という明確な店になる前…賊に襲われたご先祖様を助けてくれたのが風間様の御頭首だったのじゃ。

それがはじまりで、屋の創業者であるご先祖様は、商いでの取引を風間様とするようになって…今に至るんじゃがの…

屋はな、や…ここからが大事な話なんじゃが…

お客様が何者であっても、決して区別せず…怯まず…大切に尽くし、対等にお取引をする、それを信念としておる。

だからのう、や。

お前には少々酷な話なんじゃがの…お前の両親はそれが出来なかった故、屋の敷居は二度と跨がせることはできんのじゃ。

幼い頃から親元を離し、奉公先ではさぞ苦しい思いもしたじゃろう?

酷な扱いをしてしまって申し訳なかった。

じゃがのう…や…

お前なら屋の信念を貫き、継いでいけると爺は確信しておるのじゃ。

しかし爺にも可愛い孫娘であることにも変わらん。

が不幸になるのだけは、爺の命に代えても阻止してみせる覚悟じゃ。

それでな、…風間様の事で話しておかねばならぬ事がある。

屋店主となるからには、重要事項じゃよ。

それはな…
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