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可愛い子ちゃん、俺に甘えな?

第1章 出会いはさようならから


その後、何週間か立って我が本家から呼び出した来た。
それまでの間、何故か組長は旦那を呼び出す事はなく、平和に時が流れていた。

…それが、あまりにも不気味すぎて。


本家についた私は、物々しい数の黒スーツの人だかりを見て、嫌な予感を感じる。
その黒スーツの中には、何名か組長のそっくりさんが居た。
中に着込んでいるシャツの色がカラフルで、人によって違う。

青緑紫黄桃

何故、旦那じゃなくて私なんだろう?
そんな疑問は、本家へ足を踏み入れるともっと大きくなる。

頭を下げる人の数
家に増えた貴重品の数々

歩くにつれ、どんどん嫌な予感と共に心臓の音が大きくなる。
浮気したのは、旦那だ。
でも、受け入れなかったのは私で、ツケが回ってきた。

そして、お祖父様が居る部屋へ辿り着く。
洋館である本家のただ一室に存在する和風の部屋、それがお祖父様の部屋だ。

コンコン、と二回ノックすると中から「入れ」と言う無機質な声がした。
そして、扉を開けるとそこにはやはり、彼が居た。

真っ赤な着物と羽織を着た、松野組組長が。

「雅、お前この人と結婚なさい」

「お祖父様、もう私は結婚しております…」

すると、お祖父様は再度「結婚なさい」と続けた。
横に居る組長は、満足そうに目を細めながら、唇をぺろりと一舐めする。

まるで、獲物を目の前にした野獣のように。
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