第11章 Kept you waiting, huh.
『中学校を出て自分で二人のところに行った時には二人はもう引き取られた後で、親父に口止めされてた園長にも引き取り先も教えてもらえませでした。』
潤『智也………』
旬『智也、とりあえずいいからその刀下ろせよ』
松本の頬にも涙が流れて、話しを聞いて駆けつけていた小栗も目を赤くしながら長瀬を止めようとするとまた大きく首を横にふって話しだす。
智也『俺には、あの人の……警察の息子にはなれなかった。
俺は……、今ここで この指を落として……あの家と縁を絶ちきってでも
ここでまた二人と、会えた事の方を大事にしたいんです。』
そこまで言うと、また目を固く閉じて刀を握り直してそして振り上げた。
近『ムロ。 止めてやりなさい。』
そう横で親父の低い声がして、ようやく長瀬の手から短刀が抜き取られた。