第24章 愛の男
その週の金曜日、どうしても次の月曜日の約束の日にお披露目したくて早退して教室へと向かった。
これが最後になるなんて思いもせずに………。
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施設から出た二人と出会ったのは学校とはいっても、別校舎にあった音楽室だった。 二人は特別学級の方だったからだ。
『え… 何でこの曲』
中から聞こえてきたギターと歌声にそっと覗いて見てみる。
大『君……誰?』
二『のぞき?』
相『 ちっ……違うよ。 その曲って凄い昔の曲だからびっくりしてさ。
家の父親がカバーしてる歌なんだよ。 』
そう言うとへぇ。と興味なさそうにギターに戻るとアルペジオで音を鳴らした。