第2章 楽しい日々?
居間に入ろうと襖に手をかけると、スゥと手は襖を通り抜けた。そして体も襖を通り抜け、すんなりと居間に入ることが出来た。
おそ(幽霊みたいじゃん!怖ぇ~!)
ふと黒おそ松を見ると、黒おそ松はすぐに弟達と馴染んでいた。にぎわっていて、楽しそうにワアワアと騒いでいる。
おそ「…楽しそうじゃん…」
そういえば、黒おそ松の弟達は?俺の弟達の後ろを見ても、影らしき人物はいない。俺は二階に行ってみる事にした。
二階の部屋を覗くと、黒いパーカーを着た人物が五人いた。…分かりにくいから、黒おそ松の弟達にも名前の最初に“黒”をつけよう。二階の部屋に入るとみんなからいっせいに注目される。するとチョロ松らしき人物が近付いてきた。
おそ「チョロ松?」
黒チョロ「おそ松兄さん、勝手に本持っていったでしょ」
おそ「あー、あのにゃーちゃんの?」
黒チョロ「そうだよ。どこにやったの?」
ズイッと近付いて迫られる。黒おそ松の奴…こいつの本をチョロ松にやったな?
おそ「あれさ、えっと…気に入ったから欲しいな~なんて…」
しばらく俺を睨み付けるように見ていた黒チョロ松だったが、はぁとため息のような息を吐くと俺から離れていった。
チョロ「分かったよ。もう一冊あるし、その本はあげる」
おそ「本当!?チョロちゃんマジありがとー!」
誤魔化せた事と黒チョロ松と馴染めた事が嬉しくて俺は黒チョロ松に抱きつく。
黒チョロ「ちょっと!」
口では怒りながらも、ニコニコ笑っている。チョロ松と同じだ。
黒トド「も~、おそ松兄さんまでドルオタになるつもり?」
その言葉にみんなが笑った。…こいつらもこいつらで楽しそうじゃん。ま、しばらくしたらまた戻れるだろうし、その間黒弟達と楽しむか~!