第3章 私たちの秘密
桐「はい、加奈子さん。」
桐山さんの手にはいつの間にかドリンクがあった。
い、いつの間に!!!
・・・じゃなかった・・・
『あ、すみません。私まだアルコールは・・・』
そう、私はまだピチピチの女子高生。
まだアルコールは飲めません。
桐「大丈夫。これノンアルコールだから。」
・・・き、桐山・・・恐るべし・・・
何をやるにもスタイリッシュな色男。
いや~、こんなのみんな惚れちゃうんじゃないすか?
・・・まぁ、惚れないけど(笑)
『あ、ありがとうございます』
貰ったドリンクはオレンジ色の綺麗なドリンクだった。
『あ・・・美味しい』
桐「ふふ、良かった。」
桐山さんはそう言って、私を見つめながら微笑んだ。
そんな桐山さんの仕草がセクシーすぎて
顔をゆっくり背けてしまった。
桐「今日1日、君のこと見てたけど、
一番きれいだったよ」
『・・・えぇ?』
タイミングが悪かったら噴き出しているところだった。
あ、焦るな、加奈子
これは、お世辞だ。
『あ、ありがとうございます~』
どうも、言われ慣れない言葉には、
ヘラヘラした態度で返してしまう・・・
桐「初めて会ったときから
ずっとこうやって2人になれたらって
思ってたんだ」
『・・・・・・・・・・・・・』
お、お世辞よね?
うん・・・
でも、なんでこんなに真剣な目で
見つめられてるのかしら・・・
さすがに恥ずかしい・・・
『き、桐山さんっ
お世辞はいいですよ~』
とりあえず、このお世辞攻撃を
止めてもらうことにした。
桐「ふふ、お世辞じゃないよ、本心だよ」
あ、あれ・・・?
『いや、またまた~
本当に大丈夫ですよ』
桐「君に一目ぼれしたんだ」
えぇ・・・?
『そ、そんなそんな・・・』
桐「君から目が離せない」
おーっと・・・
これはマズイ・・・
お世辞は言われ慣れてはないが、
さすがの私でも
言われた言葉が本物かどうかぐらいは
なんとなく分かる・・・
8割がた間違いない・・・
こ、これは・・・
ガチだ・・・