第3章 私たちの秘密
パッと前を向くと、
『あ・・・桐山さん』
さっき話した桐山さんがいた。
や、やば・・・
忙しくてさっき話そうって言われてたの
完全に忘れてた・・・
桐「やあ、さっきぶり」
『あ、すみません。
お話しましょうって言われてたのに・・・』
桐「いやいや、いいよ。
見てたけど、とっても忙しそうだったから、
僕も他の人と話してたんだ。」
よ、よかった~
怒ってない・・・
『本当、すみませんでした。
あの・・・遅くなりましたが、お話しましょうか』
ニコッと微笑んだ。
桐「・・・あのさっ」
『はい?』
桐「・・・ちょっと、外の空気吸わないかい・・・?」
『あ、はい。いいですね。』
私もちょっと外に出たいと思っていたところだった。
このホテルの中庭は、噴水やバラなんかがあって
結構私も好きな場所でもある。
桐「よかった。じゃあ、行こうか」
『はい!』
私がそう答えると、
桐山さんは私に腕をすっと出して、
ニコッと笑いかけてきた。
あ・・・これは腕を組んでいいよ的なサインかな・・・?
『あ、ありがとうございます。』
おお・・・なんと華麗な・・・
修二には、一生できない技だな・・・
一瞬、同じクラスの修二をディスりながら、
私は桐山さんの腕を借りて、中庭へ出た。