第3章 私たちの秘密
『橘さん!
あ、どうですか?
イメージ通り似合っているといいんですが・・・』
私は橘さんの前で
一周くるっと回ってみせた。
橘「あ、と、とてもお綺麗です。
イメージ通りというか、
思ってたよりも似合ってて・・・」
橘さんの顔がカァ・・・と赤くなる。
それを見て、こっちも恥ずかしくなる。
『あ、えっと・・・
ドレスありがとうございました。』
橘「い、いえ着てくれて、こちらこそと言うか・・・」
『えへへ・・・』
橘「あ、あはは・・・」
橘さんは、このドレスを選ぶとき、
女性にドレスをプレゼントなんてしたことがなかったので、
コーディネーターの人と考えてくれたらしい。
本当は、こんなに露出の多いドレスを選ぶつもりはなかったらしいが、
“若い人はみんなこれくらい出してます”
と言われ、このドレスにしたらしい。
何だか、想像したら可愛くて笑ってしまった。
その後も色んな人と、話をし、
やっと1人になることができた。
今日は、人が多いからちょっと疲れたな・・・
隅で休憩をしていると、
「加奈子さん」
また、私を呼ぶ声が聞こえた。