第3章 私たちの秘密
「加奈子・・・」
入ってきたのは父様だった。
『父様・・・
どうなさいました?』
父「・・・・・・・」
父様は私をじっと見る。
『父様・・・?』
父「うわ~!綺麗なドレスだね~!!
かなちゃんにピッタリじゃ~ん!!
この切り替えしなんて、もう素敵~」
父様はこんな人・・・(笑)
『あはは、よかった。
今日はね橘さんから貰ったドレスなの』
私は、よく贈り物をもらう。
まあ、こういう家だと
結構普通のことだったりする・・・。
初めのころは、どうしていいのかわからず、
クローゼットの中にしまっていたが、
家の手伝いをするようになってから、
頂いたものを順番に着ていくようにした。
その時、ちゃんとその人が来るかチェックして、
見てもらえるようにもしている。
父「あ、あの好青年だよね?
・・・え、好きになっちゃった?」
『ち、違うわよ!いつも頂いたものを
順番に着てるの知ってるでしょ??』
父「あ、そうだよね・・・
あはは、焦っちゃった・・・」
『父様も今日のお召し物素敵ね~』
父「あ、そうなんだよ~、
ママに選んでもらったやつなんだ~」
『さすが、母様ね
父様が一番似合う服を分かってる』
父「そうだよね~、
ママは僕のこと全部分かってくれてる~」
私の父は、なんだか女子高生みたいな人。
母様の方がしっかりしてて、
なんて言うか・・・尻に敷かれてる・・・?
でも、母様と父様はいまでもラブラブで
お互いを尊敬し合ってて
私の理想な夫婦像・・・
父「あ、加奈子・・・?」
急に声色を落ち着かせて話し始めた。