第3章 私たちの秘密
私の父は、ここらでは有名な総合病院の院長。
中学までは、家からも近い金持ちが行くような学校に通っていたが、
ワケあって、今は、通学に40分ほどかけて県立高校に通っている。
色々バレでしまうのが怖いので、
迎えの車も控えるようにしている。
『あ~、ただいま~』
この、目の前にいるスーツにフリフリエプロンをした
ニコニコ男は、私が小さい頃からお世話をしてくれる前田さん。
前「お嬢様、本日のご予定は覚えておられますか?」
『あー、大丈夫。ちゃんと準備するよ』
そう言って、2階の自分の部屋に向かう。
ガチャ・・・
『さーて、今日はどれ着ればいいんすかー?』
クローゼットを開け、そんな独り言を言いながら
綺麗に並んだフリフリ衣装をかき分ける。
『んー・・・。あ、これかな?』
グリーンのドレス。
ベアトップの形の膝丈のドレス。
『わー・・・胸見えちゃうよこれ・・・』
でも、まあ仕方ない・・・
頑張れ加奈子・・・
ドレスは決まったので、ヘアメイクをしてもらう。
髪はアップにして、グリーンのドレスに合うメイクをして
「素敵だ」「綺麗だ」という前田さんを無視して鏡を見る。
『やっぱり・・・露出多くないかな・・・
恥ずかしいんだけど・・・』
そんなことを呟くと、
前「なに言ってるんですか!!若いんだから!
何ならもっと足だって出していいんですからね!?」
と、熱弁された。
コンコン・・・
やっと準備が終わった頃、ドアが鳴った。
『はい、どうぞ』