第2章 愛しの焼きそばパン
<清玲side>
昼休みになった。
女の子が美味しいと言って俺のためにパンを持ってきてくれた。
焼きそばパンか・・・
あんまり食べたことないなけど
お勧めしてくれるし食べてみよ
『・・・・・・・・・・・・・』
ふと気づいた。
ある視線。
え、なんか野蛮女
こっち見てね?
え、なに?
ってか、睨んでね?
え、なんかしたっけ?
『え、えっと・・・
桜井さん・・・?どうかした・・・』
◆「い、いや、なんでもない・・・」
え、なんでもないの?
あんなに見てたのに?
『・・・そ、そう・・・?』
ま、いっか
焼きそばパン食べよ・・・
しかし、
◆「あ!!!!」
『・・・!? ・・・やっぱ何かある?』
絶対なんかあんだろ・・・
なに?さっきから・・・
・・・ん?
なんだあの目・・・
なんであんなに切なそうに俺を見てくるんだ?
何か言いたげだな・・・
「ちょっと!桜井さん!さっきからなんなの!?」
おっと、黙ってたら、
女の子たちが騒ぎ始めた。
「そうよ、桜井さんは1限目に結城君と
2人きりになれたからって
仲良くなれたと思ったら大間違いなんだから!」
「そうよ!1人だけずるい!!」
うんうん。
2人きりになるだけでこんなに言ってくれるなんて。
やっぱり、さすがは俺。
けど、なんなんだ・・・?
あの女・・・
今にもあんな泣きそうな・・・
やめろよ・・・野蛮女とはいえ、
女の子の涙見て無視なんてできねえよ・・・
◆「い、いえ・・・なんでも・・・」
『・・・・・・・・・』
野蛮女がそう言って振り返った瞬間。
見てしまった。
あまりにも悲しげな横顔を・・・
あー、もう、無視できない・・・
『桜井さん』
◆「・・・え?」
『ちょっと来て』