第2章 ものがたりのはじまりは。
“必ずみつけだすよ。俺の……”
“ええ。待ってるわ。いつまでも”
小さな頃から、人とは違った不思議な力があった。いわゆる霊感とゆうもの。
自分の身に起きるかなり危険な事は数ヶ月前くらいに予知夢で現れる。
後に生まれる自分の弟の生年月日を夢みて、親にビックリされた事もあった。
そうゆう夢は、必ず五感があるから、予知夢を観てるなって自分で分かるようにもだんだんなっていった。
人とは少し違う自分の感覚は、いつしか周りから嫌煙されるようにもなったけど、そんな事には負けなかった。理解してくれる、愛してくれる親が、少ないけど親友たちができたから。
16歳のある日、私はまた予知夢をみたの。
あの頃くらいになると多かれ少なかれ予知夢は見てたから、またか。って慣れっこになってたな。
でも、今思うと、あそこまでリアルな予知夢は初めてだった。
真っ白な何も無い無機質な空間に、たたずんでるのは、多分少し大人になった私と、一度もあった事の無い男性。
少し色黒な一般的に言うイケメンな大人の男性。
クールな目元を細めて私にその男性は、そっと手を伸ばしてくるの。
私は、嬉しいそうに、目に涙をたくさん溜めてその手を取ろうとする。
そこで目が覚めた。
起きた時には、今までに感じた事の無い不思議な感覚。上手く説明できないけど、何か大切なモノを無くしてしまったような心に、少しだけ穴があいちゃった虚しい感じ。
16歳のあの日のを境に私は、一度も予知夢を観ていない。